• 03 Nov 2008 /  サウンド分析


    MTVから流れてきた坂詰美紗子の「恋の誕生日」を聞いて、
    世の中、変わったなと思いました。

    何が変わったって、J-popの表現では、
    R&BといえばソウルミュージックだってHiphopだって
    いっしょくたになって、アメリカでその時流行っているサウンドを
    パクッて制作されるというのがヒットのコツだったりするのですが、
    坂詰さんの音楽は60年代デトロイト、
    それこそトム・ベルのプロデュースしたスタイリスティックスの
    サウンドを進化させながら現代に蘇らせたという感じで、
    サウンドに主張があります。

    例えばEXILEだったらその時その時のヒット性の高いところにグループのサウンドを
    もってゆく、良い意味でエンターテイメント主体のスタイルをとっていますが、
    坂詰さんは私はこのスタイルと、専門化しているように感じました。

    彼女のもっているエレピは60年代ディスコサウンドを
    代表するような名器で、それで演奏し作曲しているのを見るにつけ、
    さまざまな音楽をやってきて、やっとここに自分のサウンドがたどり着いた、
    みたいな感じを受けるのです。

    坂詰さんの「恋の誕生日」を聞いたことのない人は
    ぜひ聞いてみてください。
    弦(ヴァイオリン、ビオラ、チェロというストリングスセクションのことです。
    通常、1980年代、スタジオでストリングスといえば、
    こうした弦楽器を操るスタジオミュージシャンが16人集まって、
    演奏してくれたものです)とブラスセクション
    (これもトランペット、トロンボーン、サックスの編成を言います)
    が入っていて、豪華ですよね。

    トム・ベルはお金にいとめをつけずに、
    こうした豪華なサウンドをプロデュースして成功しました。
    そのトム・ベルサウンドが今を感じさせるサウンドに蘇っています。
    これって、そんじょそこらのアレンジャーじゃできないサウンドですよね。
    専門的な知識がある人じゃないとできない音になっています。

    坂詰さんの作品は詩も曲もとてもよくできていて、
    良い詩がなくなったといわれている2000年代のJ-POP作品の中でも
    「上手い」作家のひとりだと思います。

    作品もいいし、サウンドも構築されている。
    これじゃ、格好ばかりつけて歌っている
    偽シンガーソングライターの立場なしです。

    この「恋の誕生日」ですが、
    もうひとつ、素晴らしいところがあります。
    それは、イントロです。
    ほんの短いイントロですが、このジャジャジャジャジャーンという
    5つの音で決まりって、感じでしょうか。
    彼女の描きたい世界はこの5つの音で明確に聞く人に提示している
    すぐれたイントロです。
    このイントロ、私の2008年のイントロ大賞ということになるでしょう。

    Posted by hajima @ 11:19 AM

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