
ミックスダウンについて話しましょう。
通常、ミックスダウンとは、各トラック、
つまり、ベースやドラム、ギターやボーカルなどのトラックを
適正なバランスに整えることを言います。
これはとても大切なことです。
ミックスのバランス感覚は人によって違いがあり、
ボーカルが大きなことを好む人、
ちいさなことを好む人、
ドラムが大きいほうを好む人、
ベースが大きい方を好む人、
など、さまざまで、それこそがプロデューサーのセンスともいえます。
一概に言えば、昔の人はボーカルが大きい方を好み、
最近の人はボーカルが適正なことを好みますが、
ドラマーはボーカルよりドラムが大きなこと、
ベーシストはボーカルよりベースが大きなことを好みます。
だからバンドをプロデュースすると、
ボーカルの大きさを決めるので、
一苦労するわけです。
とても大切なことは、作品にボーカルがある場合、ボーカルが主体です。
何故ならボーカルはメロディと詞という歌の三要素のうち
2つを独占しているからです。
このボーカルの存在を無視して、
いかにドラマーであろうと、
ベーシストであろうと、
作品を構築できないのです。
では、ボーカルが大きいちいさいは何が決めるかというと、
詞が聞こえるか聞こえないかによります。
歌の中で詞はメッセージを伝える最高の道具。
その詞が聞き取れないようなら、
作品としては失敗だといってもいいでしょう。
よく、外国曲を聞くように日本の歌をミックスしたいといいますが、
その人が外国曲のメッセージを正確に聞き取れているかどうかが重要です。
意味もわからず、イメージや雰囲気だけでよい悪いを判断する外国曲と
同じ感じで日本の曲のボーカルの音量を決めてはいけません。
あくまでもメッセージが伝わるかどうか。
伝わらないなら、役に立たないバランスだということを
忘れてはいけません。
だって、土の掘れないシャベルや
前に進まない車に
何の価値があるかわからないじゃないですか。
ミックスは歌を中心に落としてゆきます。
ドラムやベース、ギターやピアノなどのバランスを取るのに、
約10時間ほどかけます。
これに驚きの声があがっても仕方ないことですが、
それだけひとつの作品の最終工程を終えるのは、
重要だということです。
もし、インストルメンタルなら、
中心の楽器のフレーズ(=言葉)が
聞き取れるかどうかを判断します。
ベースが大きすぎてメロディやアドリブを演奏するギターが
かき消されていたら、ギターのボリュームを大きくするわけです。
バランスを取るのは主にボリュームですが、
それだけではありません。
冒頭に書いた、EQが大きな役割を果たします。
EQは各大域のボリュームだと書きましたが、
ベースにはベースの、ドラムにはドラムの目立つ帯域というものがあり、
そこさえ保持すれば、
れから下の帯域や上の帯域は他の楽器に譲ってもよいということです。
例えば、ギターの帯域はボーカルと酷似していますが、
ボーカルを生かすためにギアーの帯域のボーカルとぶつかる部分を
カットするというのは、
エンジニアなら最初にする作業です。
何か、ゲームみたいだと思いませんか。
作品をある箱につめる場合、
一番効率のよいつめかたを探すゲーム。
ミックスとはそんなゲームであると思います。
いつか、もっと細かいことを書きます。
今回でアナログレコーディングの模様を終わります。
最後に掲載した写真は、
レコーディングが終わったあとの写真です。
卓の上の時計は明け方の5時を指していました。
その後のビールは美味しかったです。
ただ、その次の仕事はきつかった。
良いことがあったら、それだけ悪いことがある。
これが世の中のならいでしょう。
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23 Oct 2008 / サウンド分析
Posted by hajima @ 2:35 AM
