• 28 Oct 2008 /  サウンド分析  / 




    solangeのI decidedを聴きましたか?
    私はMTVから流れるこの曲を聴いて、
    興味を持ちました。

    TVから流れる感じ、どこかで見たことがあります。
    そう、ダイアナ・ロスです。
    ファッションもそういえば、何となく似ていて、
    そういえば、バックについた二人の女性コーラスという形式、
    ダイアナ・ロス&シュープリームス
    まんまじゃありませんか。

    つい先日、パワフルに歌う女性ボーカルの時代から、
    スイートに歌う女性ボーカルの時代に移ってきたのでは、
    的なことをこのブログで書いたばかりですが、
    何とそんな感じの女性ボーカルの
    登場を感じました。

    サウンドの話をしましょう。
    一聴して、最初に驚いたのは、
    そのサウンドなのです。

    どこが驚いたかっていうと、
    あまりにも頼りなし。
    まじめに作っているのか、と疑いたくなるスカスカ加減。

    最初に出てくるのは4つ打ちの
    ハンドクラップと二つ打ちのタンバリン。
    それに、ラウンジ風のピアノがからみます。

    で、solangeの歌。
    思ったほど、甘くはないです。
    むしろ、荒っぽい感じの強いボーカルです。
    これがダイアナみたいに甘かったら、
    よかったのに。
    すこし、ワイルドなイメージというのでしょうか。
    豹柄が似合うタイプの女性ですね。

    曲は当時のモータウンそのものです。
    コール&レスポンスと呼ばれるゴスペルの手法で、
    solangeが歌うとコーラスが返す、的な面白さがあります。

    そうこうしている間に、
    サウンドに印象楽器が積み重なっていきます。
    まずバスドラが加わり、4つ打ちになります。
    ベースはシンセで作られているようで、
    クラブ風な音ですが、
    バスドラとしっかり絡んでいるので、
    邪魔になりません。
    スネアとハイハットが抜けているのがポイント。
    これが不安定な感じを与えているのですね。

    最初のコーラスから、
    オーバーハイムのリードシンセが鳴りだします。
    今聴くと良い音ですね。

    実はこのリードシンセを
    (ちょっと聴きこんで行くと、オーバーハイムじゃなくて、
    ムーグかもしれない。シンセの音色にくわしい方、
    教えてください)サポートするために、
    背後で音の壁がうっすらと鳴っています。
    この辺がプロデューサーの技でしょうね。
    これがないと、全体の音像に安定がなくなるはずです。

    はじめこのサウンドを聴いたときは、
    あまりに頼りない感じになっていたので
    どうかと思ったのですが、聴いてゆくと、
    4つ打ちのドラムとベース、タンバリンだけで
    サウンドを構成している潔さを感じました。
    ちょっと下手っピーなラウンジピアノとリードシンセも、
    味があっていいです。

    ちなみに、solangeはソランジュと読むそうです。
    あとで調べて知ったのですが、
    あのビヨンセの妹さんだそうです。

    かなり50年代のモータウンを知っている人が
    作ったトラックだなと思って調べてみれば、
    プロデュースはザ・ネプチューンズの
    ファレル・ウィリアムス。

    この人の天下はどれくらい続くのでしょうか。
    そういえば最近、アパレルにまで手を出しているとか。
    スーパーがつくプロデューサーですね。

    音楽は、最近、
    新しいページに入ってきたのを感じます。
    ある形は出そろったので、
    それを再構築してあたらしいサウンドを制作する
    というようなスタンスであるようです。

    モータウンの手法は一応全部理解した上で、
    今回のsolangeのように、4つ打ちのバスドラ
    (スネアとハイハットがないことに注目)
    とタンバリンとベースだけでサウンドのベースを
    構築しているのは、面白い手法だと思いました。

    こういう感じをサウンドをデザインするというんでしょうね。
    今後が楽しみなアーティストです。


  • 23 Oct 2008 /  サウンド分析  / 


    ミックスダウンについて話しましょう。
    通常、ミックスダウンとは、各トラック、
    つまり、ベースやドラム、ギターやボーカルなどのトラックを
    適正なバランスに整えることを言います。

    これはとても大切なことです。
    ミックスのバランス感覚は人によって違いがあり、
    ボーカルが大きなことを好む人、
    ちいさなことを好む人、
    ドラムが大きいほうを好む人、
    ベースが大きい方を好む人、
    など、さまざまで、それこそがプロデューサーのセンスともいえます。

    一概に言えば、昔の人はボーカルが大きい方を好み、
    最近の人はボーカルが適正なことを好みますが、
    ドラマーはボーカルよりドラムが大きなこと、
    ベーシストはボーカルよりベースが大きなことを好みます。
    だからバンドをプロデュースすると、
    ボーカルの大きさを決めるので、
    一苦労するわけです。

    とても大切なことは、作品にボーカルがある場合、ボーカルが主体です。
    何故ならボーカルはメロディと詞という歌の三要素のうち
    2つを独占しているからです。

    このボーカルの存在を無視して、
    いかにドラマーであろうと、
    ベーシストであろうと、
    作品を構築できないのです。

    では、ボーカルが大きいちいさいは何が決めるかというと、
    詞が聞こえるか聞こえないかによります。

    歌の中で詞はメッセージを伝える最高の道具。
    その詞が聞き取れないようなら、
    作品としては失敗だといってもいいでしょう。

    よく、外国曲を聞くように日本の歌をミックスしたいといいますが、
    その人が外国曲のメッセージを正確に聞き取れているかどうかが重要です。

    意味もわからず、イメージや雰囲気だけでよい悪いを判断する外国曲と
    同じ感じで日本の曲のボーカルの音量を決めてはいけません。

    あくまでもメッセージが伝わるかどうか。
    伝わらないなら、役に立たないバランスだということを
    忘れてはいけません。

    だって、土の掘れないシャベルや
    前に進まない車に
    何の価値があるかわからないじゃないですか。

    ミックスは歌を中心に落としてゆきます。
    ドラムやベース、ギターやピアノなどのバランスを取るのに、
    約10時間ほどかけます。
    これに驚きの声があがっても仕方ないことですが、
    それだけひとつの作品の最終工程を終えるのは、
    重要だということです。

    もし、インストルメンタルなら、
    中心の楽器のフレーズ(=言葉)が
    聞き取れるかどうかを判断します。

    ベースが大きすぎてメロディやアドリブを演奏するギターが
    かき消されていたら、ギターのボリュームを大きくするわけです。

    バランスを取るのは主にボリュームですが、
    それだけではありません。
    冒頭に書いた、EQが大きな役割を果たします。

    EQは各大域のボリュームだと書きましたが、
    ベースにはベースの、ドラムにはドラムの目立つ帯域というものがあり、
    そこさえ保持すれば、
    れから下の帯域や上の帯域は他の楽器に譲ってもよいということです。
    例えば、ギターの帯域はボーカルと酷似していますが、
    ボーカルを生かすためにギアーの帯域のボーカルとぶつかる部分を
    カットするというのは、
    エンジニアなら最初にする作業です。

    何か、ゲームみたいだと思いませんか。
    作品をある箱につめる場合、
    一番効率のよいつめかたを探すゲーム。

    ミックスとはそんなゲームであると思います。
    いつか、もっと細かいことを書きます。

    今回でアナログレコーディングの模様を終わります。
    最後に掲載した写真は、
    レコーディングが終わったあとの写真です。

    卓の上の時計は明け方の5時を指していました。
    その後のビールは美味しかったです。
    ただ、その次の仕事はきつかった。
    良いことがあったら、それだけ悪いことがある。
    これが世の中のならいでしょう。

  • 22 Oct 2008 /  プロデュース  / 



    プロツールス、空間系エフェクターの衝撃

    レコーディングにおける花形機種といえば、
    空間系エフェクターのリバーブ、ディレイ
    といったところでしょう。

    この「空間系」という言葉、最初聞いたときには意味がわからず、
    「?」という感じでした。
    しかし、自分が実際にリバーブやディレイを使うようになると、
    「!」と納得行くようになりました。
    まだ、DTMを使ったことがない方、使っているけれど、
    どうも意味がわからないといった方、
    今日はその辺を説明しましょうね。

    実際に私がプロツールスに出会ったころは、
    アウトボードのリバーブやディレイは高嶺の花の存在でした。

    よくスタジオで見かける空間系エフェクターの雄、
    レキシコンは350万円という値段がついていましたし、
    ちょっとしたヤマハのディレイがほしいと思っても、
    かなりの値段がついていて、
    個人で買うということは現実的ではなかったのです。

    スタジオにいってもレキシコンは
    調整卓の前面に偉そうに置かれていて、
    それを触れるのはエンジニアさんだけだとか。

    ディレクターやプロデューサーは間違ってもレキシコンに
    触るようなことはなかったように思われます。
    だいたい、リバーブやディレイは難しい計算式など使って
    使用されるような場面が多かったので、
    一体何が何やらわからないというのが現実でした。

    「すいません、今度のミックスにレキシコンが
    あと4台必要なので、レンタルしておきましたから、
    よろしく」
    などとエンジニアさんに言われ、
    「わかった、OK」などと答えるのですが、
    レコーディングして1週間も経つと、機材のレンタル会社から
    1台3万の機材代4台分、
    請求されたりして、
    まあ、機材というのは高価なものだという印象でした。

    つまり私は23年に渡ってかなり高額なアウトボードの
    リバーブやディレイを使ってきたにもかかわらず、
    その実態がわからないという状態だったことを、告白します。

    しかし、大抵のプロデューサーたちは
    そんなものだったようにも思えます。

    ところが、です。
    プロツールスが登場して、自宅でもリバーブやディレイがいじれるようになり、
    SOUND & RECORDINGマガジンが発刊になると、
    その実態がにわかにわかるようになってきたのです。

    最初、プロツールスのリバーブをボーカルに自分でかけてみると、
    ボワンと声が広がって、
    スタジオのような響きになったことを覚えています。
    リバーブをかけると、声がCDのようになるんだ。当たり前のことですが、
    その当たり前がなかなか理解できなかったのが現実です。

    調子に乗ってディレイをその上からかけてみる。
    なるほど、どんどんCDのようになってゆく。
    そりゃいくつかの問題はあります。たとえば、
    ボワンとなりすぎているので、リバーブやディレイ成分をすくなくしてゆくと、
    あれあれ、CD感がすくなくなってしまった。しょぼいってところでしょうか。
    じゃ、リバーブ成分を残したまま、
    どうやったらボワンというのをすくなくするか、
    何て、技なわけです。

    そういえばエンジニアさんがディレイのタイミングを
    計算式で出していたけれど、あれって何だろうとか。

    答えを言います。
    あれは、曲の持っているテンポとディレイの
    タイミングを合わせていたんですね。
    BPMが60なら、1拍はいくつとか、計算していたのです。

    そんなことを学び始めてやっとわかったことがあります。
    ドラムや声やベースやピアノは、
    音自体、交じり合うことはないのです。

    じゃ、CDみたいにどうやったら混じるかっていうと、
    リバーブとディレイです。

    リバーブとディレイがあって、
    やっと音楽になるといっても過言ではありません。

    わたしたちの生活だって、
    そうなっていると思いませんか?

    試しにパンと両手を部屋の中で叩いてください。
    残響ゼロの特殊な部屋でない限り、
    ちいさな残響が残ります。

    つまり、スタジオという残響が極端に制限された場所で
    レコーディングされた音をつなぎ合わせるのが、
    リバーブとディレイだったのです。

    空間をつなぎあわせる。
    だから空間系エフェクター。
    なるほど、実際に自分でDTMをいじってみて
    やっとわかる言葉だったんですね。

    それでは、次回はアナログレコーディングの模様の最終回。
    今井翼くんのミックスについて、書きましょうね。

    ☆上記の写真は私が使うことが多いレキシコンPCM81です。
    以外と廉価で手にはいるお薦めのエフェクトです。

  • 20 Oct 2008 /  喉のケア  / 


    自然な呼吸とは、息をすってはく動きが
    ひと流れの動作でおこなわれることです。

    ですから、息を吸ったらすぐに
    吐きはじめなければなりません。

    もしも息を吸うのと吐く間に、間があるのであれば、
    息をとめたことになります。

    これは不自然な呼吸です。

    実際、息をとめると、声帯の裏に圧力を
    かけすぎてしまう原因になります。

    吐く息が強すぎると、声帯を離してしまいます。
    そうすると空気がもれてしまいます。
    そのようなことが歌い出しのはじめに起こると、
    ピッチをコントロールできなくなってしまいます。

    息を吐いた後に、すこし間をおくのは正常です。
    なせなら適切に息をすっていれば、
    すぐに別の空気を取り入れる必要がないからです。

    しかし、息を吸ったあとに間をあけるのは、良くありません。

    息を吐くプロセスは、息を吸い終わった最後に
    すぐ始まるべきです。

  • 19 Oct 2008 /  喉のケア  / 

    効果的な呼吸のエクササイズを
    お教えましょう。
    ・ 足を肩幅に広げて深呼吸。
    ・ 指先を腹筋の辺りに軽く触れてください。
     肺の下の辺り、この辺りというところでOKです。
    ・ 息を吸ったり吐いたりして指を押さえて
     横隔膜の動きを感じ取ってください。
    ・ 疲れた犬のように、ゼーゼー呼吸してください。
    ・ 動く横隔膜の動きを指先で感じてください。




    こうすることによってふつうに呼吸している状態よりも、
    より早く横隔膜は広がったり縮まったりします。

    呼吸ごとにおなかを広げたり縮めたりしながら、
    上記の呼吸を繰り返してください。

    早く横隔膜を動かすことが出来るようになったら、
    さらにスピードを速くしてください。
    もっと早くゼーゼー息をしてみてください。
    呼吸のスタミナトレーニングのようなものです。

    これはブレスとボーカルのスタミナを
    つけるためのトレーニングです。
    ですから、疲れることを目的としています。

    このエクササイズをしている間は、
    胸の筋肉を緊張させて胸郭を広げた状態を保ってください。
    エクササイズをすることによって
    過呼吸になることもあるかもしれません。

    十分に胸郭をひろげていなければ、
    なおさらそうなりやすくなります。

    倒れる前に休んでください。

    このエクササイズの目的は
    素早く息を吸って吐き出す能力を向上させるためです。
    実際に歌を歌っているときに、必要になるテクニックです。

    丁寧に説明したつもりですが、あくまでも文章での動作指示なので、
    お分かりにならない方は、きちんとしたトレーナーについて
    レッスンを受けられることを勧めます。