• 22 Feb 2009 /  サウンド分析  / 




    Man’sが三回も繰り返されているこの曲は、
    どっかで聞いたことがあるなあと思ったら、
    ジェームスブラウンのカバーでした。

    とにかくsealのボーカルが抜群で、
    ちいさな節回しに、
    喉には筋肉というものがあるんだという実感を感じさせるほどの
    仕上がりでした。

    ただ、このseal、他人の曲のカバーなんかして、
    いったいどういうことになっているんだろうと
    思うのは私だけでしょうか。

    彼は一作目のZTTレコードで発売された「SEAL」から
    シンガーソングライターだったわけで、
    ということはミスチルの桜井さんが
    サザンオールスターズの「勝手にシンドバッド」を歌うようなものだから、
    どんな心境の変化か、気になってCDを買ったわけです。

    買ってみるとプロデューサーは
    デビット・フォスターでした。

    収録されている曲はすべてカバーで、
    STAND BY MEとかカーティス・メイフィールドの「PEOPLE GET READY」とか、
    「It’s Alright」とかやっていて楽しめます。
    ソウルミュージック寄りの懐かしき名曲カバー集、
    でもちょっとマニアックというところでしょうか。

    全体を聞いた中で、
    このIt’s A Man’s Man’s Man’s Worldの出来が抜群でした。
    さすがsealという節回しが随所に出てきて、
    ソウルナンバー好きなら絶対満足できる仕上がりです。
    ソウル歌好きなら、コピーしてもいい教材ですよ。
    フレーズの宝庫です。

    で、この機会に本家のジェームスブラウンを聞いてみようと
    思ってyoutubeに行きました。
    そうしたら、やっぱ、JB(ソウル好きはジェームスブラウンの
    頭文字だけを取って、ジェービーと呼びます)の方が面白かったです。

    技巧のsealに本気のJB。
    「ここは男の世界だけど、女がいなきゃ、無だな」
    というセリフは、JBが言ったほうがぴったりきます。
    技術じゃなくて本気だけで歌っている歌を聞いたことがない人、
    JBのIt’s A Man’s Man’s Man’s Worldを聞いてみてください。
    勉強になるかもしれませんよ。

  • 10 Feb 2009 /  サウンド分析  / 



    ドノヴァン・フランケンレイターの
    「your heart」を聞きました。
    いいですね。ゆるいです。
    PVが何とも彼の立ち位置を表現しています。
    アメリアッチを演奏するバンドをバックに歌っています。
    この人、何?
    これが私の最初の印象でした。
    いい歳です。
    たぶん30代から40代はじめといったところ。
    歌はとにかくゆるくて、レイドバックしています。
    ロックだけれど、ロックの持つ反体制という緊張感とは
    まったく違う感じがしました。
    メロディがいいです。
    漂うような雰囲気。
    それにがんばらない歌がgoodです。
    そういえばアメリカのディーバたちは、最近ちょっと頑張りすぎで、
    見ていて疲れてしまいます。
    もっと、こめかみに力入れないで歌ってもいいんじゃないか
    と感じることが多いです。
    そこへいくとこのドノヴァン、力が抜けています。
    アメリアッチのバンドとのコラボをPVでするって、どんな人?

    調べてみたら、彼はサーファーでした。
    1972年12月10日、米国カリフォルニア生まれ。
    海辺で育ったドノヴァンは幼い頃から
    自然とサーフィンをこよなく愛す。
    15歳の頃からギターを弾き始め、
    18歳で高校の仲間とバンドを結成。
    その後ジャック・ジョンソンが立ち上げたレーベルより
    ソロで2004年にアルバム『ドノヴァン・フランケンレイター』でデビュー。
    となっています。

    なるほど、彼はサーファーなのか。
    「波待ちが長くて、ギターを練習しているうちに、
    ギターが上手くなっちゃった人」とパーカッションのルーシーさんが
    話してくれました。
    なるほど、世の中変わったものです。
    サーファーが音楽していて、それがビジネスになっている人。
    そういえば、湘南で雑貨売っているうちに、
    車のCMのキャラクターになった女性を私は知っています。
    雑貨売っている店はいつも開いているとは限らず、
    気楽にやっていたら、人気が出てしまった人です。

    今は無理やりがんばってもしょうがない時代。
    むしろ、自分ができることを自分のペースでやっていくことが
    大事なんじゃないでしょうか。
    ドノヴァンがそのままがんばって歌手だったら、
    きっとこんな歌い方はしないでしょう。

    ドノヴァンはまったりとゆったりと、
    自分のペースで自分のできるだけ。
    なんか、生き方を感じる1曲でした。

  • 27 Jan 2009 /  サウンド分析  / 



    Franz Ferdinandの「Ulysses」をMTVで聞きました。
    ちょっと不良っぽいヨーロッパ風の青年バンドが
    夜の街に遊びに出ているような映像で、
    サウンドがいいですね。

    何故私が彼らのことを取り上げたかというと、
    そのポップさにあります。
    ロックバンドなのに、4つ打ちビート。
    これって、新しくないですか?

    ちなみに「4つ打ち」とは音楽の伴奏テクニックのひとつで、
    一小節に1拍のリズムを4回打つことになります。
    たいていの場合、ドラムのバスドラと
    ベースがユニゾンで4つ打ちます。
    その曲が8ビートならハイハットを8回、
    16ビートなら16回叩くことが多いです。
    しかし最近は1小節に16回ハイハットを叩くドラマーは
    すくなくなり(せせこましい感じがするのでしょうね)
    8回叩いて他の楽器で(たとえばギターのカッティングとか
    パーカッションとかで)16ビート感を出す
    というのが定番になりました。

    私が興味をもったのは、
    最近の音楽は住み分けがはっきりしてきていて、
    ロックなら8ビート、R&Bなら16ビートというように、
    このふたつは混在しないことが多いのですが、
    Franz Ferdinandは全然おかまいなしに、
    ロックの音をさせながらダンスビートをたたき出します。

    調べてみると、UKのスターです。
    どうして最近、カッコイイと思うものはUKなのでしょうか。

    2001年 スコットランドのグラスゴーにて結成。
    「フランツ・フェルディナンド」という名は
    第一次世界大戦勃発の要因となった
    “サラエボ事件”で暗殺されたオーストリア皇太子の名前。

    2003年9月 英国のインディ・レーベルDominoから
    シングル「Darts Of Pleasure」をリリース。

    2004年1月シングル「Take Me Out」をリリース。

    同年2月 デビュー・アルバム『Franz Ferdinand』をリリース。
    インディー・レーベルからリリースされたにも関わらず、
    一週間で80000枚を売り上げる。
    これを機にUKシーンは活力を取り戻す。
    若者たちはフランツにならってシャツを”タック・イン
    (=ズボンの中に入れること)”し始め、
    ロック/ポップ/ダンスの垣根は取り払われた。
    「近年最も熾烈な入札競争」(米 Billboard誌)と
    言われる契約争奪戦を経て、USエピック・レコーズが巨額にて
    フランツ獲得に成功。。
    アルバム発売を前に全米ツアーは次々とソールド・アウト。

    2005年9月2ndアルバム『YOU COULD HAVE IT SO MUCH BETTER』をリリース。
    日本ではSONYウォークマンのCMソング/キャラクターに抜擢される。

    2009年1月 3年半という長いインターバルを経て、
    3rdアルバム『Tonight: Franz Ferdinand』をリリース。

    どうぞ興味のある方は3rdアルバムのリード曲
    「Ulysses」を聞いてみてください。
    この4つ打ちダンスビートがいかに覚えやすくて
    キャッチーなメロディの上にのっかっているかわかることでしょう。

    私はこれを聞いたとき、1979年、ロッド・スチュワートが
    ヒットさせたアイム・セクシー(原題:Da Ya Think I’m Sexy?)を
    思い出しました。
    あのトム・ダウドの代表的なプロデュース作品です。
    この曲もダンステイストのロックチューンで、
    4つ打ちのベースとドラムが魅力でした。
    こういうのを「ポップ」というのですね。
    単なるロック、単なるダンスとは違った合体技です。

    「Da Ya Think I’m Sexy?」はビルボードホット100の
    チャート首位に1979年2月10日から4週間勝ち続けました。

    やっぱりUKは面白いですね。

  • 23 Jan 2009 /  サウンド分析  / 



    いきなりパンチある歌声を聞いて、「これ誰」状態の私でしたが、ひさ
    しぶりにエンターテイメントに徹したビデオを見ました。
    歌って踊って、顔よりルックスよし(ゴム球みたいです)経歴よしで、
    これならメジャーデビューするでしょうという感じのアリーシャです。

    ARISHIAのTHE BOY DOES NOTHINGをごらんになりましたか。
    あのセンターで踊っている女性がアリーシャです。(たぶんこう
    読むのだと思います)

    ブラックの血が混じっているようで、体形とか顔つきが全然白人的では
    ないので、そう思うのですが、オリンピックの体操の選手を思わせます。
    ああ、ここまでの身体能力を芸能の世界は求めているのだと感心しま
    した。
    彼女のビデオをYouTubeで探してみると、結構す。
    バランスのよいスタイルで、それがこきみよく動きます。
    これだけのスタイルをもっていながら、これだけ踊れる
    って、すごいですね。
    だって、ちょっと町を歩けば、すぐ声をかけられるでしょう。
    「モデルどうですか?」とか、「女優どうですか?」とか。
    でも、彼女、ずっと踊りと歌のトレーニングを受けてきたんですね。だ
    から、今の彼女があります。
    これだけ踊れて歌えるというのは、相当なレッスン量でしょう。

    サウンドはジプシースイングです。
    これって、ジャンゴ・ラインハルトが流行させたジプシーの独特な音階
    で作られたモードで、それとエイトビートの合体技。それをなぜか2009
    年にUKのアイドルが歌いました。
    彼女はUKで、ミスティークのボーカルとして活躍。
    解散後、ソシアルダンスの世界でスターになりました。
    UKはソシアルダンスの本場なのですね。
    現在31歳。努力が作り上げたエンターテイナーです。

  • 11 Jan 2009 /  サウンド分析  / 



    MTVで福原美穂の「雪の光」を聞きました。
    いいですね。
    声がちょっとハスキーで
    裏表を行ったり来たりする歌唱法。
    マライヤ・キャリーを思わせます。

    メロディーは
    起承転結がしっかりついた
    覚えやすいもの。
    一聴しただけでは何で
    「雪の光」なのかわかりませんでしたが、
    彼女の声と歌唱力が「タダ者ではない」
    という気配を感じさせます。

    これ、売れるな、という感じです。

    R&B系の歌手で、
    純粋に日本の血だけで評価がある人って、
    misia以来久し振りなのではないでしょうか。
    このジャンルは基本がアメリカにあるので、
    どうしても帰国子女や血に外国が混じっている人に
    有利です。

    クリスタル・ケイさんや青山テルマさんや
    安室奈美江さんを想ってください。
    そういった意味でも、逸材。

    調べてみたら、「中学3年生の時に北海道テレビで
    マライア・キャリーの「恋人達のクリスマス」で
    出場して優勝。きっかけをつかむ」
    となっていました。
    逸材はどんなチャンスでも逃さないのですね。

    もうひとつ驚きなのは、
    シンガーソングライターだということ。

    「雪の光」は作曲家の山口さんとの共作なのですね。

    ディーバ系の人は歌で発散できるので、
    自分と対峙する作曲作詞には目が向かないものです。
    人なみ以上のルックスに生まれたら、
    異性の心理に興味がない人が多いのと同じです。
    声が出てしまう人は、作れないことが多いのです。

    彼女のこれまでの作品群を見てみるとsoul2soulとやっていたり
    川村さんと組んでみたり。
    椎名林檎さんのように全部自力でとはまだ、いかないようです。

    コードはmisia的といってもいいでしょう。
    好い意味で島野聡さんが作った日本のR&Bバラードの
    王道のコード進行です。
    見るべきところがあるとすれば、
    コーラスに向かう直前の
    ひっぱられるような進行がイカしています。

    2009年1月には、花王「アジエンス」新CMソングで
    デジタル・ダウンロード限定のアルバムからの
    リード・シングル「雪の光」発売。
    飛ぶ鳥を落とす勢いでしょう。

    いい曲ですから、
    興味ある人はぜひ聞いてみてください。